故障診断チェックリスト
時計が遅れるということは
リューズ(時間を合わせるつまみ)がなんかの拍子に引かれてまた押し込まれているとこのようなことが起こります。リューズ周りはよくぶつけたり、錆付いたりと気づかないうちに故障している場合があります。また、回路の故障も考えられますので一度診断させてください。
油が乾いたり、古い油が固着したり、文字盤側のトラブルで針がすれていたり、カレンダーの不具合など色々と考えられます。オーバーホールをお勧めいたします。
最近特に多いトラブルで、携帯電話やパソコン(特にノートブック型)を多用する方、時計と一緒に置いておかれる方などはそれらから出る磁気により時計のケースやリューズの芯(巻き芯)、金属バンド(特に留めている棒)が磁化してしまいます。 磁化すると時計内部の磁石を使った歯車(ローターといいます)が引き合って止まり、遅れの原因となります。速やかに磁気を抜いてください。(脱磁)
秒針がピクついて動かない
これはまれに錆びの粉やケースの切り屑などが機械内部に入り込んで磁石を使った歯車(ローター)に引き寄せられ止まります。分解掃除が必要です。
秒針が5秒間隔で動く
これは電池切れ予告機能といい、この動作になるともうすぐ電池が切れますというお知らせを意味します。故障ではございません。電池交換しましょう。すぐしなくても1週間ぐらいは時間も狂わず、動き続けますので、あわてなくても大丈夫です。
電波時計のはずなのに時間が合わない
リセットをかけ基準値をあわせる必要があります。2〜3年使用しているようであれば、電池交換も一緒にしてください。
充電不足ですと電波受信が正しく行われません。十分光を当て、充電してください。
東と西の2局受信であれば問題ないのですが、どちらか1方の時計の場合は狂います。時計店にお持ちください。調整いたします。
機械式時計で時間が進む
こちらも磁気の影響が大きいと考えられます。クオーツ時計(電池式)では遅れることが多いのですが機械式は逆に進みます。というのは、機械式時計の精度をつかさどるテンプと呼ばれる部位があるのですが、ここに髪の毛より細いぜんまいがあります。このぜんまいが磁化すると時間が合わないのはもちろん、どんどん進みます。こうなったらテンプをはずして磁気抜きをしないと抜けません。時計店にてお預かりして歩度調整もしないといけません。
自動巻き機能付き機械式腕時計で次の日には止まっている
ぜんまい交換です。長く使っているようでしたらオーバーホールとあわせてご検討ください。
この部位がこのような状態であれば、もちろん他の部分も同じ状態といえます。オーバーホールをお願いいたします。
着けるとガラスが曇る
これは、裏ブタやリューズのパッキンの劣化により湿気や水気が時計内部に入ってしまい体温で温められた湿気により曇ると考えられます。大至急時計内部の乾燥と分解掃除、パッキン交換、防水検査が必要です。
カレンダーがあっていない
これは、月末にカレンダー修正が必要になります。カレンダー付きのほとんどの時計はリューズを2段引きで針合わせ、1段引きでカレンダー修正ができます。ただし、カレンダーの早送り修正は日付が変わる3時間前後(午前0時をはさんで午後10時から午前3時の間)は時計の歯車とカレンダーの歯車ががっちり噛み合ってます。ここで無理やりカレンダーの車を送ると歯車を傷めたりと故障の原因となります。気をつけてください。
クロノグラフ(多軸)機能付き腕時計で針がずれる
これは時計によって異なります。お持ちいただければ修正方法をお教えいたします。