機械式腕時計は18〜19世紀に天才ブレゲが様々な新しい時計機構を開発し、今もほとんどその当時と基本構造は変わっておりません。18世紀に腕時計の完成形を作り上げたブレゲは時計の進歩を200年進めた天才と称されたのも分かります。
現在は部品の素材の開発やより美しいムーブメントの開発、ムーブメントを守るより強固なケース開発、画期的なデザインの開発などメーカー、技術者は日々努力しております。私も負けじと部品つくりやケース磨きなど初歩から勉強しております。
って難しいお話では機械式腕時計の魅力は伝わりませんよね。
私が思う機械式腕時計の魅力は
3cmほどのケースに数百もの部品が1個も欠けることなく組み込まれて初めて時を刻みます。
その部品は歪みやホコリ、固着油などがあると一切動かず、その1つ1つの絶妙なバランスで1秒という時を刻んでいます。時間という正確な数値を出すのはホントに難しいことです・・・
よく機械式腕時計の中身は”小宇宙”という表現をされますがまさに絶妙なバランスはそれと一致しますしね。見た目の美しさも・・・
また、よくお客様から時計の思い出や思い入れのお話をお聞きします。結婚の結納、大切な人からの贈り物、お爺様の形見、父からやっともらった時計etc・・・
そういった時計たちは機械式時計が多いように感じます。やはり一緒に時を刻んでいきたい、今までは父が時を刻んできてこれからは自分も時を刻み続ける・・・改めて機械式時計の丈夫さと信頼を認識いたします。
さらに機械式時計はお使いになる方の癖が時計の癖になります。
機械式時計には姿勢差と言うのがあります。例えば文字盤を上にして置いたときと時計を立てたときの精度は違います。つまりお使いになる方の一番多い姿勢の精度がその時計の癖になってきます。また、ゼンマイの巻き方や稼動回数も癖になってきます。そうしてお使いになっているうちに時計の癖に慣れ、ご自分の時計になっていきます。愛着もわきますよ〜。
是非、皆様も生涯1本、一生お付き合いする機械式腕時計をお持ちいただきたい!
その魅力を堪能してください。
店主